
【イベントレポート】「再造林を考える」(パネルディスカッション編)(2025年2月)
2025年2月、富士フォレストサポート第20回講習会・交流会を行いました。富士フォレストサポート講習会の第20回を記念して、伐採搬出・再造林ガイドライン全国連絡会議とコラボ!
伐採搬出・再造林ガイドライン全国連絡会議との共催で、伐採搬出・再造林ガイドライン全国連絡会議のミニサミットも兼ねて開催いたしました。
今回はパネルディスカッションと、講習会後の交流会の様子をレポートいたします。
パネルディスカッション前の講演の様子はこちら↓
【イベントレポート】「再造林を考える」(講演会編「岡山県の現状と課題」)(2025年2月)
【イベントレポート】「再造林を考える」(講演会編「『伐採搬出・再造林ガイドライン』及び『責任ある素材生産事業体認証制度(CRL認証)』の全国の事例紹介」)(2025年2月)

パネルディスカッション(ファシリテーター:宮崎大学農学部教授)
パネルディスカッションでは、あらゆる立場の当事者にご登壇いただき、未来の山林をつくるために今できることを共に考えました。
・ファシリテーター
宮崎大学農学部教授
・登壇者
林野庁木材産業課長
津山市森林組合長
株式会社戸川木材社長
にちなん中国山地林業アカデミー教育運営科長
全国連絡会議事務局

各氏のご紹介、それぞれの地域やお立場での再造林の現状と課題を報告された後、ガイドライン策定の意義、課題について、ご意見を伺いました。
全国連絡会議事務局
やはり強制力がない、という点が課題。
「意欲と能力のある林業経営体」や「認定事業体」はメリットのある制度で、活用している事業体も多い。
実はこの規約の中に「ガイドラインに基づいた作業を行っているか」という項目がある。
ガイドラインを守れていないと認定を取り消すというように運用が徹底されれば、自ずと責任ある林業が生まれるのではないか。

津山市森林組合長
ガイドラインの策定・運用には、皆伐したら植えなくてはならないという意識を森林所有者にも持ってもらう必要がある。
策定で終わりではなく、運用までのロードマップも作ることが大事。

株式会社戸川木材社長
「林業」という仕事が世間から向けられる目はコンプライアンスやガバナンスのレベルではない。
もっと根本の「インフラストラクチャーに関わるもの」として見られている。
例えば、土砂崩れや山火事などが起きた際には、「木を伐ったから」「道を入れたから」と批判される。
でももしルールがあったら、山が崩れても、ルールを守った上で起こったこととして、過剰な批判を防ぐことができるかもしれない。
それは事業者や林業業界を守ることにも繋がる。
これもガイドライン策定、運用の意義であると思う。
しかし、制度が徹底されれば参入のハードルは上がることになる。
担い手の確保も課題となる中で、そのバランスも考えなくてはならない。

にちなん中国山地林業アカデミー教育運営科長
ガイドラインの意義として、新しく参入する業者の指標になることは大きい。
同業者から指導してもらえる機会も貴重で、外部の目が入ることもとても意義深い。

林野庁木材産業課長
皆様のお話を伺ってコメントします。
強制力がない、罰則が弱いという点に関しては、森林は個人財産であるため規制が難しいという現実がある。
個人の所有物に対して国として規制をかけることは難しい。
そのため、将来世代、環境や地域への責任という観点で業界や地域ごとに自主的にルールを作っていってほしい。
また所有者の意識、という点に関しては、たしかに再造林について所有者の負担をゼロにしても無関心という声も聞く。
所有者任せではなく、素材生産業者が関わっていく時代が来ているのではないか。

宮崎大学農学部教授
ガイドラインも認証制度も大変有意義な制度だが、その分課題は多い。
特に認証制度は導入も運営もハードルが高いので、もう少し気軽な、素材生産業者同士が学び合い、モニタリングし合うような機会があっても良いかもしれない。

パネルディスカッションの最後に、戸川木材社長が岡山県出身の彫刻家、平櫛田中の「今やらねばいつできる。わしがやらねば誰がやる」という言葉を引用されました。
平櫛田中のこの気概で臨めば、物事はうまく進んでいくはず、と会場を鼓舞し、会場全体が責任ある持続可能な林業に向けて想いを巡らせる中、講習会を閉幕いたしました。
「再造林を考える」のタイトルの通り、森林の持続可能性、経済性と社会性のバランス、林業という仕事の責任について再考する機会になりました。
そして、講習会の後には交流会も開催いたしました。
通常は富士フォレストサポート会員様限定の会ですが、今回は広くお声掛けし82名の方にご参加いただきました。
普段交流することのない方同士で情報交換していただくことができ、活気あふれる会になりました。

富士フォレストサポートは、お客様の現場と経営に寄り添い共に成長していけるよう、そして林業や木材産業の未来が明るいものとなるよう、これからも尽力してまいります。
お問合せは0868-24-3211かお問合せフォームからお待ちしております。

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