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【講演会レポート】来た人を大切に育てる。日本初の町立林業学校「にちなん中国山地林業アカデミー」の挑戦
2026年2月27日、第22回富士フォレストサポート講習会を開催いたしました。
林業の現場において、機械の進化と同じくらい、あるいはそれ以上に切実な課題となっているのが「人づくり」です。
人を集め、育て、安全に現場へ送り出すにはどうすればよいのか。
今回は、鳥取県日南町にある日本初の町立林業学校「にちなん中国山地林業アカデミー」より小菅先生をお招きし、林業教育の最前線についてお話しいただきました。
経営者や現場の責任者が直面する「未経験者の育成」に対する一つの答えが、この講演にはありました。
1. 林業大学校という選択肢と現在の課題
平成27年(2015年)、林業への就業を支援する「みどりの雇用制度」が制定されました。
この制度に伴う「みどりの青年給付金」を活用することで、学生は授業料の全額給付を受けた上で林業を学ぶことができます。
2026年現在、全国には28校の林業大学校が存在し、そのうち25校が県立です。
期間は1年制、2年制、4年制と分かれていますが、半数以上を1年制が占めています。
在学中に10種類以上の林業関連資格を取得できる非常に実務的な教育機関である一方、全国的に学生数は減少傾向にあるという厳しい現実も共有されました。
2. 「にちなん中国山地林業アカデミー」が持つ5つの強み
そうした状況の中、日本初の町立かつ1年制の学校として設立されたにちなん中国山地林業アカデミーには、他の大学校にはない特筆すべき強みが数多くあります。
① 県外への就職を認める広い視野
一般的な県立の林業大学校は、地元県内への就職が卒業や給付金受給の条件となっているケースが大半です。
しかし同校では、県外への就職を制限していません。
実際に卒業生の4割程度は県外へ就職しています。
地元に残ってほしいという思いを抱えつつも、日本の林業業界全体への貢献を優先されています。
② 現場を知り尽くした指導者陣
県職員が指導にあたることの多い一般的な大学校とは異なり、同校の指導者は実際の林業現場で作業を重ねてきた経験者ばかりです。
教科書通りではない、現場に即した生きた知識を学ぶことができます。
③ 町有林での「失敗できる」実習時間
日南町には広大な町有林があり、座学や動画だけでなく、実際の山林で五感を使った実習を十分に行う環境が整っています。
実践の場で安全に失敗を経験できるからこそ、卒業後に即戦力として現場に立つことができます。
④ 森の入り口から出口までを網羅する学び
町を挙げて木材産業に取り組む日南町だからこそ、造林や林政学といった座学にとどまらず、現場でのあらゆる施業方法、原木市場での流通、製材・加工工場での消費、さらには苗木生産や広葉樹林業、バイオマスに至るまで、幅広い林業の形を視察できます。
林業の全体像を知った上で、自分が本当に進みたい道を選択できる環境です。
⑤ 「クセをつけない」という教育方針
同校が技術指導において大切にしているのが「クセをつけない」ことです。
卒業後、生徒たちはそれぞれの事業体に就職し、そこの先輩方のやり方を学ぶことになります。
だからこそ、アカデミーにいる間は徹底して「基礎的な技術」と「安全に作業すること」だけを教え込みます。
どの事業体に行っても馴染みやすく、教えやすい人材を送り出すための配慮です。
3. 就業前に林業大学校を活用するメリット
これから林業を始めようとする方、あるいは未経験者を採用する事業体にとって、就業前に林業大学校を経由することには2つの大きなメリットがあります。
① 自分に合った分野と事業体を見つけられる
林業という枠にとらわれず、関連する様々な業種を知ることで、業界全体へと視野を広げることができます。
その上で、造林・素材生産・森林管理といった林業の各工程を実際に経験し、自分自身の適性や進みたい分野をしっかりと見極めることが可能です。
さらに、同じ分野であっても会社によってやり方や社風は異なります。
在学中に10社以上の事業体を実際に視察して比較できるため、入社後のミスマッチを防ぎ、自分に本当に合った就職先を選ぶことができます。
② 即戦力となる資格と安全意識
10以上の関連資格を取得し、作業の流れや専門用語、そして何より安全意識を身に付けた状態で現場に出ることができます。
多少なりとも実習での失敗経験があるため、現場の厳しさに馴染みやすいという特徴もあります。
講演を終えて
どの業界でも人手不足が叫ばれる中、林業においても「人を集め、育てること」は最重要の経営課題です。
講演の中で、小菅先生はこうおっしゃいました。
「良い人材を獲得するよりも、『来た人材』を大切に育てることが大事です」
即戦力を外から探すのではなく、縁あって来てくれた人材に対し、国の給付金を活用して林業大学校で基礎と安全を身に付けてもらう。
例えば、採用内定者にまずアカデミーへ入学してもらい、1年間しっかりと土台を作ってから自社の現場に迎えるという活用法も、経営の選択肢として非常に有効であるとアドバイスをいただきました。
(※みどりの青年就業準備給付金は、原則として未経験者が対象となります)
木を育てるのと同じように、人を育てるのにも時間と環境が必要です。
林業という仕事の土台となる「基礎技術」と「安全」を実直に教え込むアカデミーの姿勢に、私たちも深く共感いたしました。
現場での未経験者教育や、安全な作業環境の構築についてお悩みの経営者様がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、林業大学校の活用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
ご登壇いただいた小菅先生、そしてにちなん中国山地林業アカデミーの皆様、貴重なお話を誠にありがとうございました。
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